Excelの式をAIに書かせる。条件が2つ以上あるときの頼み方
「担当者ごと、分類ごと、今月分だけ」の合計を出したい。関数を思い出せなくても、表の形を伝えればAIが式を書きます。そのままコピーできる頼み方と、間違った式を見抜く確かめ方を載せています。
「担当者ごとの合計を出したい。ただし今月分だけ。しかも備品だけ」
こういうとき、私はいつも関数の名前を思い出せません。調べているうちに、手で数えたほうが早い気がしてきます。
この記事では、その式をAIに書かせる頼み方を紹介します。
この記事で分かること
- そのままコピーして使える頼み方(1つだけ載せます)
- 表の形をどう伝えるか
- AIが書いた式が正しいかを、5分で確かめる方法
こんな人に向けて書いています。 Excelは使うけれど、関数は毎回調べる人。SUMIFSやXLOOKUPという名前を覚えていない人。
特別な準備は要りません。 無料で使えるAIと、手元のExcelがあれば足ります。
全体の流れ
3つだけです。
- 表の形を伝える(どの列に何が入っているか)
- 何を出したいかを、条件ごとに分けて書く
- 出てきた式を貼って、小さいデータで確かめる
3番目が大事です。AIは、それらしい式を自信を持って出してきます。
1. この頼み方をコピーする
Excelの式を書いてください。
【表の形】
A列:日付
B列:担当者
C列:分類
D列:金額
1行目は見出しで、2行目からデータです。
【出したいもの】
次の条件を全部満たす行の、D列の合計。
- B列が「田中」
- C列が「備品」
- A列が 2026年8月1日 以上
- A列が 2026年8月31日 以下
【お願い】
- 式だけでなく、**なぜその関数を選んだか**も1行で書いてください
- 条件が1つ増えたときに、どこを直せばよいかも書いてください
- 私のExcelのバージョンが古い場合に使えない関数なら、そう言ってください
この頼み方の要点は3つです。
| 要点 | なぜ |
|---|---|
| 列に何が入っているかを先に書く | これが無いと、AIは列を勝手に決めます |
| 条件を箇条書きで分ける | 文章にすると、条件が1つ抜けても気づけません |
| 「なぜその関数か」を書かせる | 説明が破綻していれば、式も疑えます |
2. 返ってきた式
私が試したときは、こう返ってきました。
=SUMIFS(D:D, B:B,"田中", C:C,"備品", A:A,">=2026/8/1", A:A,"<=2026/8/31")
理由も付いてきました。「条件が複数あるので SUMIF ではなく SUMIFS を使います」。
ここで貼って終わりにしないでください。 次が本題です。
3. 正しいかを確かめる
小さいデータを作って、手で数えた答えと比べます。
私はこの7行で試しました。
| 日付 | 担当者 | 分類 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 2026-07-28 | 田中 | 備品 | 12,000 |
| 2026-08-03 | 田中 | 備品 | 8,000 |
| 2026-08-05 | 佐藤 | 備品 | 15,000 |
| 2026-08-11 | 田中 | 消耗品 | 3,000 |
| 2026-08-17 | 田中 | 備品 | 22,000 |
| 2026-08-29 | 田中 | 備品 | 5,000 |
| 2026-09-02 | 田中 | 備品 | 9,000 |
条件に合うのは太字の3行です。手で足すと 35,000。
式の結果も 35,000 でした。一致しています。
なぜ小さいデータで試すのか
条件を1つ落としても、式はエラーになりません。 数字が出ます。
実際に落として試すと、こうなりました。
| 何を落としたか | 結果 | 何が混ざったか |
|---|---|---|
| 正しい式 | 35,000 | — |
| 分類の条件を落とす | 38,000 | 消耗品の3,000 |
| 日付の条件を落とす | 56,000 | 7月の12,000と9月の9,000 |
どれもエラーになりません。 合計が大きいか小さいかも、正解を知らなければ分かりません。
だから、正解が分かる小さいデータで先に試します。 5分で終わります。
うまくいかないとき
日付の条件が効いていない
Excelでは、日付が文字列として入っていることがあります。見た目は同じでも、比較ができません。
AIにこう聞いてください。
A列の日付が文字列として入っている可能性があります。
文字列でも動く式に直してください。あわせて、
日付として入っているかを確かめる方法も教えてください。
「その関数は使えません」と言われた
古いExcelでは使えない関数があります。AIに伝えれば代わりの式を出します。
その関数は私のExcelでは使えませんでした。
古いバージョンでも動く式に書き直してください。
条件が増えた
SUMIFS は条件を後ろに足していけます。AIに全部書き直させるより、こう聞くほうが早いです。
条件をもう1つ増やします。E列が「済」の行だけにしたい。
いまの式のどこに何を足せばよいか、その部分だけ教えてください。
やってみて分かったこと
今回のゴールは「関数を思い出せなくても式を作る」でした。結果は、達成です。
ただしそのまま信じてよいものは出ません。
| 何が | どうだったか |
|---|---|
| 関数の選択と式の組み立て | AIのほうが速い。 名前を覚えている必要がない |
| 条件が全部入っているかの確認 | 人がやる必要がある。 落ちてもエラーにならない |
| その式が業務的に正しいか | 人にしかできない。 「今月」がいつからいつかを知っているのは人 |
確かめる5分を省くと、間違った数字を報告することになります。 ここは削れませんでした。
次にやること
この記事は、**「仕事の困りごとから入って、コピーできる形で渡す」**という書き方の2本目です。
1本目は議事録をAIに書かせる。コピーして貼るだけの手順です。会議のあとの作業を減らす話でした。
次は「長い文章をAIに要約させる」を考えています。
使うときの注意
表の中身によっては、AIに貼ってはいけないものがあります。
- 未公開の売上や計画などの社外秘
- 顧客名や個人情報が入った表
- 勤務先がAIの業務利用を禁止している場合
この記事の頼み方は、表の「形」だけを伝えて中身を貼りません。 そこが安全な点です。 どうしても実データで試したいときは、数行だけ、名前を仮名に変えたものを使ってください。
勤務先のルールを先に確認してください。